海友舎の意匠的特徴

海友舎は、西洋建築が日本に導入され定着するまでの過渡期に建てられました。外観をみると洋館ですが、屋根は瓦葺きで、内部は一部床の間や畳が敷かれるなど、和洋折衷の建物となっています。

まず、ファサードを見てみましょう。欄間、方杖、バルコニー手すりなど丁寧な細工が随所に見られるのも見どころのひとつ。

1階の階高を2階より高く設計することで、端正なファサードデザインとなっています。

 

二階建棟の開口部には上げ下げ窓が施されており、バルコニーの左と右で非対称なファサードデザインになっているところも特徴の一つ。

払い下げ後に植樹された2本のヒマラヤ杉は、今では大きく育ちシンボルツリーに。

 

ペンキ塗りの南京下見板に上げ下げ窓、軒の浅い寄棟の屋根といった洋風のデザインが進取の気性を表しています。

二階建棟と平屋建棟とは、土間を経て繋がっています。